コラム
張り出し足場とは？ 特徴や活用場面を紹介
2023/03/15コラム
住宅やマンション、ビル周辺で、多くの人通りがあったり、駐車スペースがあることで、中々工事に踏み切れないと思われる業者の皆様もいらっしゃるのではないでしょうか。
仮設足場の設置が難しいと、思うように円滑に工事を進めるのも難しくなってしまいます。
そこで、今回は、張り出し足場の紹介から特徴、安全にかかわる法律、張り出し足場ならではの活用場面についてご紹介します。
張り出し足場とは？
張り出し足場は、足場ブラケット・アングルブラケットなどの張り出し材をアンカーボルトを用いて、本足場を建物の構造部材（躯体）へ取り付けるものです。実際に用いられる本足場としては、くさび式足場などがあります。
張り出し足場の特徴
張り出し足場のメリット
張り出し足場の最大の特長は、足場を組めないような狭いスペースで使えるということです。特に、建物にベランダを取り付けるイメージで、足場を取り付けることができます。
そのため、不安定な地面の状態でも設置は可能です。
張り出し足場のデメリット
張り出し材の取り付け部分には、構造上十分な強度が求められます。
足場ブラケットを使用すると、構造が特殊なため、緻密な計算をして、慎重に設置することが求められます。
また、張り出し足場はデリケートなため、組み立てや使用の両方の作業で注意が必要になります。
張り出し足場を組む際の注意点
建物の強度について
張り出し足場を組む場所は、基本的に特殊な作業場です。そのため、建物の取り付け部分の強度の計算などを緻密に行う必要があり、設置環境の向き不向きも検討しなければなりません。
ブラケット、アンカーの強度
足場ブラケットは、外部の足場の基礎に相当するため、十分な強度が必要になります。
また、改修工事で後付けのアンカーを使用しなければならない場合は、引き抜き力やせん断力に対して十分安全であると計算により証明してから、使用する必要があります。
張り出し足場の安全対策
張り出し足場の安全にかかわる法律
張り出し足場の安全対策に関しては、安衛則519条（労働安全衛生規則第519条）といったものが関わります。墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じる必要があります。
業者は、高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等で、以下の囲いなどを設けなければなりません。
・囲い
・手すり
・覆い
手すりがない場合には安全帯が必要
手すりがない場合は、安衛則519条（労働安全衛生規則第519条）の第2項を念頭に置く必要があります。
具体的には、事業者は、囲いなど（囲い、手すり、覆い）を設けないときや取りはずすときは、墜落などの危険を防止するため、以下の措置を講じる必要があります。
・親綱など、防網を張る
・作業員に、安全帯などの要求性能墜落制止用器具を使用させる
張り出し足場の活用場面
張り出し足場の活用場面①：普通に足場が組めないとき
張り出し足場は、普段通りに地面から本足場を組めない以下のような場合で用いられます。
・隣接して既設の建物がある場合
・工事中の建物と道路との間隔が狭いことで地面から本足場を組めない場合
・建物の構造が特殊で、設置に際して緻密な計算が必要である場合
張り出し足場の活用場面②：人通りが多い場所
張り出し足場は、普通に足場を組めない場合以外で以下のような場所でも、有効に活用できます。
・人通りが多い場所
・道路が狭く地面を塞げない場所
・十分に地上に足場を設置するスペースの余裕がない場合
張り出し足場の活用場面③：建物の下が駐車スペースになっている場合
高級住宅街や土地が狭く限られている場所では、建物の下が駐車スペースになっているパターンがよくあります。
そういった場所で足場を設置すると、車を移動し辛くなったり、代替駐車場が必要になったりしてしてしまいます。
このような場合、張り出し足場を利用すればあれば代替駐車場を用意する必要性はありません。
安全安心の足場工事ならOMOTENASHIにお任せください
今回は、張り出し足場の紹介や安全対策に関する法律、特徴、活用場面などを解説しました。
OMOTENASHIでは、「何のための足場」かを把握し情報共有することで、細部に至るまで作業しやすくすることで、高度で丁寧に手直しの必要がない足場の設置を実現させています。
その過程で、究極まで安全と安心を追求した仮設足場を建設し続けるために、居住者様や歩行者様、現場の職人の皆様への配慮を欠かさない精神を培ってきました。
OMOTENASHIは、今日まで、多方面に気を遣う都心の狭い作業環境で、多くの張り出し足場などの足場環境を設置してきました。
人の出入りが多い場所や狭い場所で工事を行う際、ぜひ張り出し足場を用いたい方はお気軽にご連絡ください。
